含水率と木の特性
製材した木には、しばしば狂い、ねじれ、割れが生じます。これは製材した後だんだん乾燥してくるにつれて、方向によって縮む割合が異なるからです。
木材がどのくらい水分を含んでいるかは含水率で表します。
含水率(W)は、十分に乾燥した場合の質量(D)に対して、今含まれている水の量(w)がどれだけかという比率です。
木材は平均的には15%程度まで乾燥させて使うのが理想的ですが、しかし現実はなかなかそうはなっていません。
木材の乾燥は木材業界最大の課題のひとつです。
木の狂いと背割り
乾燥にともなう狂い、ねじれ、割れを予測して見かけ上や強度上の不具合が起こらないようにするのが私達のノウハウです。 そのうち誰でもわかるのは、背割りです。柱に使う角材の一面に植えから下まで、中心まで達する切り込みを入れることです。 どうせ割れるなら最初から割れ目を入れておこうというわけです。 含水率の変化にともなって生じるはずの内部応力をあらかじめ人工的に破壊面を作ることによって解放し、他の部分に破壊が生じないようにすることです。 少なくとも一面が壁で隠れる場合は背割りのある面のほうに向ければ、美観上の問題は生じません。 背割りによって柱としての実用上の強さは全くといっていいほど低下しません。ただ 土台の背割れやホールダウン金物が必要な柱は、引き抜き強度に対し不安があります。 建築者の告示で接合金物の使用が指定されている現在、土台、通し柱は背割れのないものを使用するべきです。
集成材
集成材は、丸太をいったん製材していたにしたものを貼り重ねて大きな断面にしたものです。 断面の暑さ、幅も原理的にはどんな大きなものできます。 長さもいくらでも長いものでも作ることができます。 集成材にすれば思い通りの大径大材が得られます。断面の大きな木材はなかなか乾燥しません。 乾燥が不十分なまま建物に使うと、作るまでにも、 また完成した後になっても、 割れたりねじれたりして安全性、美観を損なう恐れがあります。 構造材には当然強度が要求されますが、集成材は板を作る段階で、節などの欠点を除くことができます。 また、板一枚、一枚の強度を推定することができるので、強い板を集成材の上下面に配することによって、曲げに強い集成材を作ることができます。
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