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結 露 の し く み

結露はなぜ起こるのでしょうか?

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家が腐ってしまう最大の要因が「結露」だといわれています。「結露」が発生するメカニズムを考える場合、まず結露のもとになる「水蒸気」についての理解が必要となります。 空気は温度によって含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が異なり、暖かい空気ほど、多くの水蒸気を含みます。 水蒸気をいっぱい含んだ暖かい空気が冷やされ「飽和水蒸気量」を超えると、余分な水蒸気が水に変わります これが結露の発生するしくみで、冷えたビールをグラスに注ぐと表面に水滴がつくのも同じ現象です。 住まいの結露は、発生する場所によって「表面結露」「内部結露」「生活結露」の3種類に分けられます。

1. 表面結露

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壁や天井の表面で発生する結露です。これは水蒸気を含んだ暖かい空気が、温度の低い建材に触れることで起こります。 窓がくもったり水滴がついたりするのが代表的な例で、断熱の不十分な家では壁の表面でも発生してしまいます。 特に、温度の下がりやすいコーナー部や家具の裏側、人のいない部屋などでは要注意です。 表面結露はカビやダニ発生の原因にもなり、アレルギーの一因ともいわれ、人の健康にも大きく左右してしまいます。 カビが好む温度は25~35℃、湿度は75%以上です。これまでは、カビは梅雨を中心とした高温多湿な時期に発生するとされてきました。 しかし、現在の住まいは年間を通してカビが発生しやすい条件が整っています。表面結露した住宅はカビにとっての快適空間なのです。

■ 表面結露を防ぐポイント

冬、車の窓ガラスが曇った時にヒーターで暖めると曇りがとれるように、住宅の表面結露を防ぐ一番重要なポイントは室内の表面温度を下げないことです。 そのためには建物全体の断熱性を高め、家中に冷えた部分を作らないことが肝心です。結露しやすい窓については、複層ガラスなどの断熱性の高いタイプがおすすめです。 また、内装材については調湿性の高い建材を使うとより安全です。暖房としては室内全体を暖かくする床暖房や輻射熱、放射熱を利用したシステムの採用をおすすめします。 また室内が高湿状態にならぬよう湿度をコントロールすることも重要なポイントです。

2. 内部結露

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「内部結露」は室内の暖かい空気が壁(繊維系断熱材)の内側に侵入し、水蒸気を含むことができる限界の温度を下回った場所で発生します。 この状態が長引くと柱や土台を腐らせる原因となります。柱や土台が腐ってしまっては建物に必要な強度が失われてしまい、大きな地震がくるとひとたまりもありません。

■ 内部結露を防ぐポイント

壁の中に低温部分を作らないこと、そして低温部分に水蒸気を入れないこと、また水蒸気を通しやすい繊維系の断熱材を壁内部や天井の垂木間に充填しないことです。

3. 生活結露

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日本のこれまでの生活スタイルでは、人のいない部屋では暖房されず低温のまま。そこに人のいる部屋から水蒸気がやってきて結露が発生します。 水蒸気の分子は水滴の250万分の1という細かさで多くの建材を通り抜けてしまいます。結露を防ぐ秘訣は結露のもとになる水蒸気をなるべく出さないことです。 ところが水蒸気は生活のなかで、様々なところから発生してしまいます。炊事や入浴、室内燃焼型石油ストーブや石油ファンヒーター、人の体からも水蒸気は出てきます。 現在の住まいは気密性が高まり、室内で発生した水蒸気が屋外に逃げにくくなっています。 自由に建物の中を移動する水蒸気は、温度の低いところを見つけて結露をおこします。このように人の生活が原因で起こる結露を「生活結露」と呼びます。

■ 生活結露を防ぐポイント

極端に冷えた場所をつくらないこと。そのためには建物全体をしっかり断熱し、温度差の少ない環境をつくることが大切です。 また瞬間的に大量の水蒸気が発生する炊事や入浴時、やむをえず洗濯物を室内に干すときは、必ず個別の換気扇を回す必要があります。 結露は温度の高い状態が長時間続くと発生しますが、わずかな空気の流れでも結露を防ぐ効果があります。 結露が発生しやすい場所には、空気の流れをつくることも有効です。